ブラインドテイスティングの方法:利き酒大会で勝つためのコツ
銘柄を隠して日本酒を当てるブラインドテイスティング。利き酒大会の対策や、自宅で楽しむ方法を解説します。
ブラインドテイスティングの方法
「この日本酒、銘柄を当ててみて」
ブラインドテイスティングは、銘柄や情報を隠した状態で日本酒を味わい、その特徴を言い当てる技術だ。
利き酒大会で競うもよし、仲間と楽しむもよし。日本酒の味わいを深く理解するための、最高のトレーニングでもある。
この記事では、ブラインドテイスティングの方法と、利き酒大会で勝つためのコツを紹介する。
ブラインドテイスティングとは
目的
銘柄や価格といった先入観なしに、純粋に味わいだけで日本酒を評価すること。
得られるもの
- 味覚・嗅覚の鍛錬
- 先入観からの解放
- 日本酒の本質を見極める力
- 表現力の向上
種類
シングルブラインド 出題者は銘柄を知っているが、テイスターは知らない状態。一般的なブラインドテイスティング。
ダブルブラインド 出題者もテイスターも銘柄を知らない状態。より公正な評価が可能。
基本的な手順
1. 準備
用意するもの
- 日本酒(3〜5種類が適当)
- 利き猪口または透明なグラス
- 水(口をリセットするため)
- 淡白なつまみ(クラッカーなど)
- メモ用紙とペン
- アルミホイルまたは目隠し用の袋
環境を整える
- 強い香りのない部屋で
- 適度な照明
- 静かな環境
- 香水や整髪料は控える
2. 外観の観察
グラスを傾けて、色や透明度を観察する。
チェックポイント
- 色の濃さ(無色〜黄金色)
- 透明度(クリア〜にごり)
- 粘性(さらさら〜とろり)
- 泡の有無
外観からわかること
- 濃い黄色 → 熟成酒の可能性
- にごり → にごり酒、おりがらみ
- とろみ → 原酒、濃厚タイプ
- 細かい泡 → 生酒、活性酒
3. 香りの分析
グラスを回さずに香りを嗅ぐ(上立ち香)、次にグラスを回して香りを嗅ぐ(含み香)。
チェックポイント
- 香りの強さ
- 香りの種類(フルーツ、花、米、熟成)
- 第一印象と時間経過での変化
香りからわかること
- フルーティで華やか → 吟醸系
- 穏やかで米の香り → 純米系
- 熟成香、カラメル → 古酒、熟成酒
- 乳酸系の香り → 生酛、山廃
4. 味わいの分析
少量を口に含み、舌全体に広げる。
チェックポイント
- 第一印象(アタック)
- 甘味、酸味、苦味、旨味のバランス
- 口当たり(なめらか、シャープなど)
- 余韻の長さと特徴
味わいからわかること
- すっきりキレがある → 淡麗辛口、本醸造
- 旨味がしっかり → 純米酒、山廃
- 華やかで軽い → 吟醸酒
- 甘味と酸味のバランス → 生酒、新酒
5. 総合判断
外観、香り、味わいの情報を総合して、特徴を言語化する。
判断の流れ
- 特定名称酒の推定(純米、吟醸など)
- 製法の推定(生酛、生酒など)
- 酒米の推定
- 産地・蔵元の推定
- 銘柄の推定
利き酒大会の種類
きき酒選手権
日本酒造組合中央会主催の全国大会。
形式
- 予選と本選がある
- 5種類の日本酒を順番に並べる
- 同じ酒を当てる「呼称きき酒」
- 制限時間内に解答
攻略のポイント
- 特徴の強い酒から当たりをつける
- 迷ったら直感を信じる
- 時間配分に注意
蔵元主催の利き酒会
各蔵元が主催するイベント。
形式
- その蔵の商品ラインナップから出題
- 銘柄当て、または種類当て
- カジュアルな雰囲気が多い
攻略のポイント
- 事前にその蔵の商品を研究
- 各商品の特徴を押さえておく
地域のイベント
酒販店や地域の団体が主催するイベント。
形式
- 地元の銘柄中心
- 初心者向けのものも多い
- 景品がある場合も
大会で勝つためのコツ
事前準備
1. 出題傾向を研究
- 過去の出題銘柄を調べる
- 大会の形式を確認
- 出題される可能性の高い酒を飲んでおく
2. 特徴的な銘柄を覚える
- 香りや味わいに特徴がある銘柄
- 有名銘柄は出題されやすい
- 地域の代表的な銘柄
3. 体調を整える
- 前日の飲酒は控える
- 十分な睡眠を取る
- 当日は香りの強いものを避ける
テイスティング中
1. 最初に全体を見渡す
- まず全種類を軽く確認
- 特徴が強いものをチェック
- グループ分けをする
2. 消去法を使う
- 確実に違うものを除外
- 迷ったら特徴から絞り込む
3. 時間配分に注意
- 難しい問題に時間をかけすぎない
- 最後に全体を見直す時間を残す
4. 直感も大切に
- 考えすぎると迷う
- 最初の印象は意外と正しい
メンタル面
- リラックスして臨む
- 間違いを恐れない
- 楽しむ気持ちを忘れない
自宅での練習方法
一人で練習
準備
- 異なるタイプの日本酒を3〜5本用意
- 同じグラスに注ぎ、番号をつける
- ボトルを隠す(別の人に頼むか、袋に入れる)
- シャッフルして順番を忘れる
実践
- 各酒の特徴をメモする
- 予想を書く
- 答え合わせ
- 予想と実際の違いを分析
仲間と練習
ゲーム形式
- 持ち寄りで出題し合う
- ポイント制にして競う
- 表現力コンテストを行う
テーマを決めて
- 「吟醸酒だけ」など種類を限定
- 「新潟の酒だけ」など産地を限定
- 「1,500円以下」など価格帯を限定
記録をつける
練習の結果を記録しておくと、上達が実感できる。
記録する項目
- 日付
- 出題された銘柄
- 自分の予想
- 正解・不正解
- 気づいた点
上達のためのトレーニング
香りのトレーニング
フルーツの香りを覚える
- りんご、洋梨、バナナなど
- 実際のフルーツの香りを嗅いで記憶
- 日本酒を飲む時に比較
香りのサンプルを使う
- ワイン用のアロマキットを活用
- 香りを言語化する練習
味覚のトレーニング
基本味の確認
- 甘味:砂糖水
- 酸味:レモン水
- 苦味:緑茶
- 旨味:昆布だし
濃度を変えて練習
- 微妙な違いを感じ取る練習
- 閾値を下げる
表現力のトレーニング
ボキャブラリーを増やす
- テイスティング用語を覚える
- 他の人の表現を参考にする
- 自分の言葉で表現する練習
アウトプットを増やす
- テイスティングノートをつける
- SNSで感想を発信
- 仲間と感想を共有
ブラインドテイスティングの注意点
体調管理
- 風邪気味の時は感度が落ちる
- 空腹すぎると酔いやすい
- 満腹だと感度が鈍る
環境への配慮
- 香水、整髪料は控える
- 直前にコーヒーやタバコは避ける
- 静かで集中できる環境で
適量を守る
- 飲みすぎると感度が落ちる
- 吐き出しも検討
- 水で口をリセット
まとめ
ブラインドテイスティングは、日本酒を深く理解するための最高のトレーニングだ。
銘柄を隠すことで、先入観なく純粋に味わいと向き合える。そして、言語化しようとすることで、感覚が研ぎ澄まされる。
利き酒大会に挑戦するもよし、仲間とゲーム感覚で楽しむもよし。
まずは自宅で、2〜3種類の飲み比べから始めてみよう。当たっても外れても、日本酒の新しい楽しみ方が見つかるはずだ。
テイスティングノートの書き方についてはテイスティングノートの書き方をご覧ください。
日本酒の資格については日本酒検定入門で解説しています。