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日本酒用語集

日本酒用語集

日本酒に関する専門用語を分かりやすく解説。初心者から上級者まで役立つ日本酒用語の辞典です。

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日本酒用語集

日本酒に関する用語を五十音順に整理した用語集です。初心者にも分かりやすく、専門的な内容も丁寧に解説しています。

あ行

甘口(あまくち)

日本酒度がマイナスの値を示す、甘みを強く感じる日本酒。発酵によって糖が十分に分解されずに残っている状態。飲みやすく、初心者にも人気。

アルコール添加(アルコールてんか)

醸造アルコールを加える技法。本醸造酒や吟醸酒などに使用され、香味の調整、キレのある後味、雑菌抑制や搾りやすさなど、製造上の利点がある。

一升瓶(いっしょうびん)

容量約1.8リットル(正確には約1.8039L)の伝統的な日本酒用瓶。贈答や家庭用として広く流通している。

うすにごり

ごくわずかに滓(おり)が残った、軽く濁った日本酒。軽やかな甘味や酸味、まろやかな口当たりが特徴。

お猪口(おちょこ)

日本酒を飲む際に用いる小さな陶磁器製のカップ。香りや温度を楽しむのに適した代表的な酒器。

滓(おり)

発酵中にできる沈殿物。主に酵母や米の微粒子。通常は濾過で取り除かれるが、うすにごり酒などでは一部残す場合もある。

か行

燗酒(かんざけ)

温めて楽しむ日本酒。ぬる燗(約40〜45℃)、熱燗(約50〜55℃)など、温度帯により香味が変化する。

辛口(からくち)

日本酒度がプラスの値を示し、甘味が控えめでドライな味わい。キレの良い印象を与える。

吟醸(ぎんじょう)

精米歩合60%以下の米を用い、低温長期発酵させる「吟醸造り」によって製造された日本酒。華やかでフルーティーな香りが特徴。

吟醸香(ぎんじょうか)

吟醸酒特有の香り。酢酸イソアミル(バナナ系)、カプロン酸エチル(リンゴ系)などのエステル類が主体。果実様で華やか。

ぐい呑み(ぐいのみ)

お猪口よりも大きな酒器で、たっぷりと注げる。陶器製が多く、酒の温度や香りの変化をゆったり楽しめる。

生酛(きもと)

自然界の乳酸菌を活かし、手間をかけて酒母を造る伝統技法。力強く濃醇な味わいに仕上がる。

甲類・乙類焼酎(こうるい・おつるいしょうちゅう)

蒸留法による焼酎の分類。甲類は連続式蒸留機で製造され、クセが少ない。乙類は単式蒸留で、原料の風味が残る。日本酒は醸造酒であり、これらには含まれないが混同されやすい。

麹(こうじ)

蒸した米に麹菌を繁殖させたもの。でんぷんを糖に分解し、アルコール発酵に必要な糖を作る。日本酒造りには米麹が使われる。

麹菌(こうじきん)

日本の国菌に指定されている「アスペルギルス・オリゼ」。米の表面で繁殖し、糖化酵素を生成する。

酵母(こうぼ)

糖をアルコールと炭酸ガスに変える微生物。清酒酵母が主に用いられ、香りや味わいに影響を与える。

さ行

三段仕込み(さんだんじこみ)

日本酒の仕込み方法で、原料を3回に分けて投入する(初添・仲添・留添)。発酵の安定と風味の深みを出すための伝統技法。

酒母(しゅぼ)

酵母を大量に培養したスターター。アルコール発酵を安定かつ効率的に進めるために使用され、「もと」とも呼ばれる。

酒質(しゅしつ)

日本酒の味、香り、色、舌触りなど総合的な品質の特徴。

純米酒(じゅんまいしゅ)

米・米麹・水のみで造られた日本酒。添加アルコールは一切使用されない。米の旨味がストレートに感じられる。

新酒(しんしゅ)

その酒造年度に造られた日本酒。通常は秋以降に出荷される。荒々しさとフレッシュな味が特徴。

精米歩合(せいまいぶあい)

玄米を削った後の残存率。例えば60%なら40%を削ったことを意味する。削るほど雑味が減り、香りが繊細になる。

た行

大吟醸(だいぎんじょう)

精米歩合50%以下の米を用いた吟醸造りの日本酒。香り高く、繊細で華やかな味わいが特徴。

淡麗(たんれい)

雑味が少なく、すっきりとした軽快な味わい。新潟など寒冷地の酒に多い。

杜氏(とうじ)

酒造りの技術責任者であり職人集団のリーダー。蔵ごとの味や品質の決定に大きく関与する。

徳利(とっくり)

日本酒を温めたり注いだりするための容器。細口で胴がふくらんだ形状。

留添(とめぞえ)

三段仕込みの最終段階。仲添の約2倍の原料を加え、発酵のピークへ導く。

な行

仲添(なかぞえ)

三段仕込みの2回目の投入。初添の約2倍の原料を加える。

生酒(なまざけ)

一度も加熱処理(火入れ)をしていない日本酒。酵母や酵素が生きており、鮮烈でフレッシュな味。要冷蔵。

生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)

搾った後の酒を加熱せずに貯蔵し、出荷直前に一度だけ火入れを行う酒。生酒の風味を一部残す。

生詰酒(なまづめしゅ)

搾った酒を加熱して貯蔵し、瓶詰時には火入れを行わない。生酒のようなフレッシュ感がある。

日本酒度(にほんしゅど)

比重に基づいて計測される日本酒の甘辛指標。±0が中口、マイナスは甘口、プラスは辛口。

濃醇(のうじゅん)

旨味とコクが強く、重厚で奥行きのある味わい。伝統製法や生酛系に多く見られる。

は行

火入れ(ひいれ)

酒を約60〜65℃に加熱し、酵素や微生物の活動を停止させる処理。保存性と風味の安定化を目的とする。

ひやおろし

冬に搾り、春に火入れして夏の間熟成させ、秋に出荷する季節限定酒。まろやかさと旨味が際立つ。

平行複発酵(へいこうふくはっこう)

糖化(麹による)と発酵(酵母による)が同時に進む、日本酒特有の発酵形式。高アルコール度でも滑らかな味わいになる。

本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ)

精米歩合70%以下の米を使用し、白米重量の10%以下の醸造アルコールを添加。キレが良くすっきりした味わい。

ま行

枡(ます)

日本酒を飲むための木製の四角い器。ヒノキやスギ材で作られ、木の香りを楽しめる。もともとは計量器具。

もろみ

発酵中の日本酒の元となる液体。米、米麹、水、酵母が混ざり、アルコールが生成されていく。

や行

山廃(やまはい)

「山卸廃止酛」の略。自然の乳酸菌を活用し、山卸(すりつぶし)工程を省略。複雑で濃醇な味になる。

四合瓶(よんごうびん)

容量720mlの瓶。一升瓶の半分で、家庭用や贈答用として扱いやすい。

ら行

ラベル

瓶に貼られた銘柄名や製造情報を示す表示。原料米や精米歩合、アルコール度数などの情報も確認できる。

わ行

割水(わりみず)

アルコール度数を調整するために加える水。火入れ前や瓶詰前の仕上げ工程で用いられる。


特定名称酒の分類

純米系

  • 純米酒:米・米麹・水のみ
  • 特別純米酒:精米歩合60%以下または特別な製法
  • 純米吟醸酒:精米歩合60%以下、吟醸造り
  • 純米大吟醸酒:精米歩合50%以下、吟醸造り

アル添系

  • 本醸造酒:精米歩合70%以下、醸造アルコール添加
  • 特別本醸造酒:精米歩合60%以下または特別な製法
  • 吟醸酒:精米歩合60%以下、醸造アルコール添加、吟醸造り
  • 大吟醸酒:精米歩合50%以下、醸造アルコール添加、吟醸造り

この用語集は随時更新されます。より詳しい説明が必要な用語については、関連記事もご参照ください。

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