スパークリング日本酒:泡で楽しむ新しいスタイル
スパークリング日本酒の種類、製法、選び方、楽しみ方を徹底解説。シャンパンのように泡立つ日本酒の魅力と、おすすめの飲み方をご紹介。
泡立つ日本酒の世界

シャンパンのように泡立つ日本酒がある。
スパークリング日本酒、発泡清酒、あわ酒。呼び方は様々だが、いずれも炭酸ガスを含んだ日本酒だ。
軽やかで華やか。日本酒の新しい楽しみ方として人気が高まっている。
スパークリング日本酒とは
特徴
炭酸ガスを含んだ日本酒。
口に含むと細かい泡が弾ける。爽やかな刺激と、日本酒の旨みが融合。アルコール度数は5〜15%と幅広い。
歴史
実は、新しいようで古い存在。
江戸時代から「発泡する酒」は存在した。「活性酒」「生酒」として知られていたもの。現代のスパークリング日本酒は、1990年代から本格的に開発が進んだ。
2000年代以降、各蔵元が本格的に参入。技術革新により、品質が大幅に向上。今では海外でも人気のカテゴリーに。
製法による分類
瓶内二次発酵
シャンパンと同じ製法。
瓶の中で酵母が糖を分解し、炭酸ガスが生まれる。きめ細かい泡が特徴。手間がかかるため、高価格帯が多い。
代表的な銘柄に「一ノ蔵 すず音」「南部美人 あわさけ スパークリング」など。
活性にごり
発酵中の醪を瓶詰めしたもの。
瓶内で発酵が続き、自然に炭酸が生まれる。にごりを伴うことが多い。開栓時に噴き出す可能性があり、取り扱い注意。
炭酸ガス注入
完成した日本酒に炭酸ガスを後から加える製法。
比較的安価に製造可能。泡は大きめで、抜けやすい傾向。手軽に楽しめるタイプが多い。
タンク内二次発酵
タンク内で二次発酵させ、その後瓶詰め。
シャルマ方式とも呼ばれる。瓶内二次発酵より効率的。中価格帯に多い。
スパークリング日本酒の種類
甘口タイプ
糖分を残して発酵を止めたもの。
アルコール度数は5〜8%程度と低め。フルーティーで飲みやすい。日本酒初心者やカジュアルなシーンに。
代表例:すず音、澪(みお)、ぷちぷち
辛口タイプ
しっかり発酵させたドライな味わい。
アルコール度数は12〜15%程度。食事に合わせやすい。日本酒好きにも満足感のある味わい。
代表例:南部美人 あわさけ、七賢 スパークリング
にごりスパークリング
にごり酒にスパークリングの要素を加えたもの。
クリーミーさと泡の爽やかさが融合。独特の味わい。デザート感覚でも楽しめる。
ロゼスパークリング
赤い酵母を使ったピンク色のスパークリング。
見た目の華やかさが魅力。お祝いの席にぴったり。味わいは甘口〜中口が多い。
選び方のポイント
シーン別の選び方
乾杯・パーティー
華やかな見た目と飲みやすさを重視。甘口〜中口の瓶内二次発酵タイプがおすすめ。
食事と一緒に
辛口タイプを選ぶ。料理の邪魔をしない、すっきりした味わいのものを。
デザートと一緒に
甘口タイプや、にごりスパークリング。フルーツやケーキとの相性が良い。
日本酒初心者に
低アルコールの甘口タイプ。飲みやすく、日本酒へのハードルを下げてくれる。
ラベルの見方
アルコール度数
5%前後:かなり軽め、ジュース感覚 8〜10%:軽め、飲みやすい 12〜15%:標準的、食事向き
製法表示
「瓶内二次発酵」:高品質の証 「活性」:開栓注意 「炭酸ガス含有」:後から炭酸を加えたタイプ
日本酒度
マイナスが大きいほど甘口。スパークリングは-20〜-70程度の甘口が多い。辛口タイプは0〜+5程度。
楽しみ方
温度
よく冷やす(5〜8℃)
スパークリング日本酒の基本。泡が長持ちし、爽やかさが引き立つ。冷蔵庫で十分に冷やしてから。
グラス
フルートグラス
シャンパングラスのような細長い形。泡が美しく立ち上る。パーティーシーンに最適。
ワイングラス
香りを楽しみたい時に。やや大きめのボウルで、香りが開く。
日本酒グラス
和のシーンに。カジュアルに楽しみたい時にも。
注ぎ方
- グラスを傾けて注ぐ
- 泡が立ちすぎないようにゆっくり
- 7〜8分目まで注ぐ
- グラスを立てて泡を整える
開栓の注意
特に活性タイプは要注意。
- 十分に冷やす(泡立ちが抑えられる)
- 瓶を振らない
- 栓をゆっくり開ける
- 吹き出しそうなら栓を戻す
- 落ち着いたら再度開ける
シンクの上や屋外で開けると安心。
スパークリング日本酒と料理
相性の良い料理
前菜・アペタイザー
カルパッチョ、生ハム、カナッペ。泡の爽やかさが食欲を刺激する。
魚介料理
刺身、寿司、カキ、エビ。特に白身魚や貝類との相性が良い。辛口タイプがおすすめ。
揚げ物
天ぷら、唐揚げ、フライ。泡が油をさっぱりと流す。
チーズ
フレッシュチーズ、白カビチーズ。甘口スパークリングとの相性が良い。
フルーツ
イチゴ、桃、メロン。甘口タイプと合わせてデザート感覚で。
和菓子
大福、羊羹、わらび餅。意外な組み合わせだが、甘いもの同士で調和する。
カクテルベースとして
スパークリング日本酒はカクテルにも使える。
サケモヒート風
ミントと砂糖を入れたグラスにスパークリング日本酒を注ぐ。爽やかな夏向きドリンク。
フルーツスパークリング
フレッシュフルーツを入れてサングリア風に。イチゴ、オレンジ、キウイなど。
梅酒スパークリング
梅酒を少量加えて甘酸っぱく。食前酒にぴったり。
awa酒(あわ酒)について
awa酒とは
スパークリング日本酒の品質基準を定めたブランド。
2016年に日本ワイナリー協会を参考に設立。厳格な基準をクリアした酒だけが「awa酒」を名乗れる。
認定基準
- 瓶内二次発酵または、一次発酵の炭酸ガスのみ
- 3.5気圧以上のガス圧
- 日本酒であること(米、米麹、水のみ使用)
- 透明であること(にごりは不可)
awa酒認定銘柄
高品質の証として、贈り物やお祝いの席におすすめ。認定蔵元は増え続けている。
保存方法
未開封
必ず冷蔵保存
スパークリング日本酒は温度に敏感。常温保存は厳禁。冷蔵庫の奥(温度変化が少ない場所)がベスト。
立てて保存
横にすると、開栓時に吹き出しやすくなる。必ず立てて保存。
早めに飲む
製造から6ヶ月〜1年以内が目安。泡が徐々に弱くなる。購入したら早めに楽しむ。
開封後
すぐに飲み切る
開栓後は泡が抜けていく。できれば当日中に。遅くとも2〜3日以内に。
スパークリング用の栓
専用のストッパーを使えば、泡の抜けを遅らせられる。翌日まで持たせたい時に。
日本酒初心者にこそおすすめ
ハードルを下げる存在
「日本酒は苦手」という人にこそ試してほしい。
低アルコール、爽やかな泡、フルーティーな味わい。日本酒の概念を覆す飲みやすさ。ワインやシャンパンが好きな人にも受け入れられやすい。
入門におすすめの銘柄
一ノ蔵 すず音
スパークリング日本酒のパイオニア。優しい甘さと細やかな泡。アルコール5%で飲みやすい。
宝酒造 澪(みお)
スーパーでも買える手軽さ。マスカットのような香り。価格も手頃。
南部美人 あわさけ スパークリング
本格派を求める人に。瓶内二次発酵の繊細な泡。辛口で食事にも合う。
まとめ
スパークリング日本酒は、日本酒の新しい扉。
泡の爽やかさと日本酒の旨み。二つの魅力が一つになった存在。乾杯の席、食事のお供、デザートタイム。様々なシーンで活躍する。
日本酒が苦手な人も、日本酒好きな人も。新しい体験として、ぜひ一度試してみてほしい。
シュワっと弾ける泡の中に、日本酒の新しい可能性が詰まっている。
日本酒の種類についてもっと知りたい方は、にごり酒・どぶろくの世界もご覧ください。