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日本酒デビュー:最初の一本の選び方

日本酒デビュー:最初の一本の選び方

日本酒を初めて飲む方へ。最初の一本の選び方から、飲みやすい銘柄、基本的な知識まで。日本酒の世界への第一歩をサポートします。

初心者 入門 選び方 おすすめ 日本酒デビュー
執筆: delicious sake 編集部

日本酒デビュー:最初の一本の選び方

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「日本酒、飲んでみたいけど、何を選べばいいか分からない」——そんな人にまず伝えたいのは、最初の一本との出会いは、一生モノになり得るということだ。

私の場合、それは大学時代にやってきた。バイト先の塾に、大学生なのに自分でマンションを買っているという変わった先輩がいて、よく飲みに連れて行ってもらっていた。ある日、その先輩の自宅マンションに招かれたとき、「いい日本酒がある」と出してくれたのが、福島・会津若松の末廣酒造が醸す大吟醸「玄宰(げんさい)」だった。

キンキンに冷えているのに、グラスに注いだ瞬間から華やかな香りが立ち上り、口に含むと濃い味わいがぶわっと広がる。日本酒のイメージが一晩で塗り替えられた。あの感動は、今でも忘れられない。それ以来、何かのお祝いのたびに玄宰を買うようになり、自分の結婚式では、ゲストに振る舞う酒にも選んだ。

末廣酒造の大吟醸「玄宰」。私の日本酒の原点になった一本

あなたにも、そういう一本に出会ってほしい。だからこの記事では、最初の一本の選び方をできるだけ具体的に紹介する。読み終わる頃には、自信を持って日本酒を手に取れるようになっているはずだ。

結論から言う

純米吟醸を、冷蔵庫で冷やして、ワイングラスか普通のグラスで飲む。

これだけ。迷ったらこれで間違いない。

なぜ純米吟醸なのか?バランスがいいからだ。米の旨みがしっかりありながら、フルーティーな香りもある。クセが少なく、初めての人でも「美味しい」と感じやすい。

冷やす理由は、香りが穏やかになって飲みやすくなるから。燗酒(温めた日本酒)は美味しいけれど、最初はハードルが高い。まずは冷たいところから始めよう。

具体的に、何を買えばいい?

銘柄名を出すのをためらう人もいるけれど、私は出す。初心者が最も困るのは「具体的に何を買えばいいか」だから。

1,500円以下で買える入門銘柄

上善如水(じょうぜんみずのごとし) 新潟の白瀧酒造。名前の通り、水のようにスッと飲める。日本酒っぽい重さがほとんどない。「日本酒は苦手」という人が、これで考えを変えたケースを何度も見てきた。720mlで1,200円前後。

久保田 千寿(くぼた せんじゅ) 新潟の朝日酒造。すっきりとした辛口で、食事の邪魔をしない。特に和食との相性が抜群。刺身、焼き魚、天ぷら、何にでも合う。720mlで1,400円前後。

八海山 特別本醸造(はっかいさん とくべつほんじょうぞう) 新潟の八海醸造。キリッとした味わいで、後味がすっきり。飲み飽きしない酒の代表格。720mlで1,300円前後。

もう少し出せるなら

獺祭 純米大吟醸 45(だっさい じゅんまいだいぎんじょう 45) 山口の旭酒造。フルーティーで華やか、まるで白桃やメロンのような香り。「日本酒ってこんな味だったの?」と驚く人が多い。720mlで2,000円前後。

写楽 純米吟醸(しゃらく じゅんまいぎんじょう) 福島の宮泉銘醸。ジューシーな甘みとキレのバランスが絶妙。一度飲むとファンになる人が続出する銘柄。720mlで1,800円前後。

特別な日に開ける一本

玄宰(げんさい)大吟醸 冒頭で紹介した、私の原点の一本。福島・会津若松の末廣酒造が、山田錦を35%まで磨いて醸す大吟醸で、華やかな香りと重厚な味わいを併せ持つ。酒名は江戸時代に会津の酒造業を育てた家老・田中玄宰に由来する。全国新酒鑑評会の金賞常連で、贈り物やお祝いの席で外さない。入門用というより「日本酒ってここまで凄いのか」を知るための一本。予算が許す特別な日に、ぜひ。

避けた方がいい最初の一本

逆に、最初の一本としておすすめしないものも正直に書く。

  • 古酒・熟成酒 ── 独特の風味があり、好き嫌いが分かれる
  • にごり酒 ── 濃厚で個性が強い。まずはクリアな酒から
  • 生原酒 ── 度数が高く(18〜19%)、パンチが強い
  • 山廃・生酛系 ── 旨みが強くクセがある。慣れてからの方がいい

これらは美味しいけれど、初心者向きではない。好みが分かってから挑戦しよう。

どこで買う?

スーパー・コンビニ

メリットは手軽さ。上善如水、久保田、八海山あたりは大体置いてある。ただし品揃えは限られるし、店員さんに相談はできない。

酒屋・専門店

正直、これが一番おすすめ。

「敷居が高い」と感じるかもしれないが、思い切って入ってみてほしい。「初めてなんですが」と言えば、ほぼ100%親切に教えてくれる。なぜなら、酒屋の店員は日本酒が好きでこの仕事をしている人がほとんどだから。新しいファンを増やせるチャンスに喜ばない店員はいない。

「甘めがいい」「すっきりしたのがいい」「予算は○○円くらい」と伝えれば、きっとあなたに合った一本を選んでくれる。

オンライン

自宅でゆっくり選べるのがメリット。レビューを読んで参考にできる。ただし送料がかかることが多いので、まとめ買いがお得。

初心者向けの飲み比べセットを売っている店もある。いろんな味を試せるので、自分の好みを見つけるのに最適。

飲み方の基本

温度

まずは冷やして。

冷蔵庫で2〜3時間冷やせばOK。キンキンに冷やしすぎると香りが閉じるので、冷蔵庫から出して5分くらい置いてから飲むのがベスト。

慣れてきたら常温や燗も試してみて。同じ酒でも温度で全然違う味になる。これが日本酒の面白いところだ。

グラス

最初は普通のグラスでいい。

ワイングラスがあれば、それで飲むと香りがよく分かる。日本酒用のおちょこやぐい呑みは、好みが分かってから買えばいい。形から入る必要はない。

少量から。

日本酒のアルコール度数は15〜16%。ビール(5%前後)の3倍、ワインより少し高い。思った以上に酔いが回る。

最初は90ml(半合)くらいから。美味しいからといって調子に乗ると、翌朝後悔することになる。これは経験者からの忠告だ。

和らぎ水

日本酒と同量の水を飲む。

「和らぎ水(やわらぎみず)」と呼ばれる、日本酒の合間に飲む水のこと。悪酔い防止に効果がある。酒蔵見学に行くと必ず和らぎ水が出てくるのは、昔からの知恵だ。

よくある失敗と対策

「日本酒で悪酔いした」

原因は大体3つ。

  1. 飲みすぎ ── 度数が高いのを忘れて、ビール感覚で飲んでしまった
  2. 空腹で飲んだ ── 胃に何も入っていない状態だと、アルコールの吸収が早い
  3. 質の悪い酒を飲んだ ── 安い居酒屋の「日本酒」は、正直なところ品質がバラバラ

対策は簡単。ゆっくり飲む。何か食べながら飲む。ちゃんとした銘柄を選ぶ。和らぎ水を忘れない。これで悪酔いはかなり防げる。

「美味しいと思えなかった」

それは、たまたまその銘柄が合わなかっただけかもしれない。

日本酒は銘柄によって味が全然違う。ワインで例えるなら、フルボディの赤ワインと、甘口のスパークリングくらい違う。一度飲んで「合わない」と決めつけるのはもったいない。

違う銘柄を試してみて。それでもダメなら、日本酒が体質的に合わないのかもしれない。無理して飲む必要はない。

「選び方が分からず、結局買えなかった」

分かる。私も最初はそうだった。

解決策は「考えすぎない」こと。この記事で紹介した銘柄のどれかを、何も考えずに買ってみてほしい。失敗しても1,500円程度。勉強代だと思えばいい。

完璧な一本を探そうとするより、まず一本飲んでみることの方が大事だ。

開けた後の保存

冷蔵庫で、立てて保存

日本酒は開栓したら冷蔵庫へ。横にすると空気に触れる面積が増えて劣化が早まるので、立てて保存する。

1〜2週間で飲み切る

開けた日本酒は徐々に味が変わる。1〜2週間以内に飲み切るのが理想。でも、あまり神経質になる必要もない。多少味が変わっても、料理酒として使えば問題ない。

生酒は要注意

「生酒」「生貯蔵酒」と書いてあるものは、特に劣化が早い。買ったらすぐ冷蔵庫に入れて、できれば1週間以内に飲み切ろう。

好みを見つけるコツ

記録をつける

飲んだ銘柄と感想をスマホにメモしておく。「甘かった」「すっきりしてた」「香りが強かった」程度でいい。10本くらい飲むと、自分の好みが見えてくる。

飲み比べを活用

居酒屋の「飲み比べセット」は、好みを見つけるのに最適。3〜5種類の日本酒を少量ずつ試せる。「これは好き、これは苦手」が一度に分かる。

季節を意識する

夏は冷やしてすっきりした酒、冬は燗にして濃厚な酒。季節に合わせて選ぶと、自然と幅が広がる。

最後に

日本酒は難しくない。

専門用語が多いから難しそうに見えるだけで、結局は「美味しいか、美味しくないか」だ。

まずは一本買って、飲んでみてほしい。美味しければ「当たり」、いまいちなら「次」。それを繰り返すうちに、きっとお気に入りの一本が見つかる。

日本酒の世界へようこそ。良い出会いがありますように。


日本酒の基本から知りたい方は日本酒とは?をご覧ください。

温度による味の違いを詳しく知りたい方は日本酒の温度帯へ。

居酒屋での頼み方は居酒屋での日本酒の頼み方で詳しく解説しています。

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