日本酒女子のための入門ガイド
日本酒を始めたい女性のための入門ガイド。飲みやすい銘柄の選び方、楽しみ方、美容との関係まで、女性目線で日本酒の魅力を紹介します。
「おじさんの飲み物」じゃない
「結婚式の二次会で出たスパークリング日本酒がきっかけでハマった」——そんな声をよく聞く。シャンパンみたいにシュワシュワしてて、甘くて、フルーティー。「え、これ日本酒なの?」と驚く人は多い。
日本酒といえば「居酒屋で上司が飲んでいる、透明で苦そうな液体」というイメージを持っている人も少なくない。自分から飲もうとは思わない、と。
でも、たった一杯が入り口になって、週末の楽しみが「今日は何を飲もう」に変わる——そんな話は珍しくない。
最初に飲むべき一本
日本酒に苦手意識がある女性に、まず試してほしいのがスパークリング日本酒だ。
**澪(みお)**はコンビニで買える。アルコール5%で、ほぼジュース感覚。「これ日本酒?」と驚く人が多い。300mlで500円くらい。試しやすい。
すず音は一ノ蔵という蔵が作っているスパークリング。澪よりきめ細かい泡で、少し大人の味。女子会で出すと、必ず話題になる。
スパークリングで「日本酒、いけるかも」と思えたら、次のステップへ。
フルーティー系に進む
スパークリングに慣れたら、フルーティーな吟醸酒を試す番だ。
**獺祭(だっさい)**は入門にちょうどいい。りんごや梨のような香りがして、「日本酒臭さ」がない。コンビニやスーパーでも買える手軽さ。
出羽桜 桜花吟醸は山形の酒。華やかな香りで、価格も手頃。日本酒専門店で「フルーティーなものを」と言えば、よく勧められる。
鳳凰美田は栃木の酒。完熟マンゴーのような甘い香りがする。これを飲んで「日本酒ってこんなに香りがいいの?」と目覚める人は多い。
共通点は、冷やして飲むと香りが立つこと。冷蔵庫でしっかり冷やして、ワイングラスで飲むのがおすすめ。
甘口か辛口か
「辛口ください」と注文する人が多いが、実は初心者には甘口の方が飲みやすい。
日本酒の「辛口」は、ワインのドライと同じ。糖分が少ない、すっきりした味。決して「辛い」わけじゃないが、慣れないと物足りなく感じることがある。
甘口は、糖分が残っていて、まろやかな味わい。フルーツのような甘みがある酒が多い。日本酒の第一印象が良くなる。
「甘口で飲みやすいものを」と言って選んでもらうのが、失敗しないコツだ。
美容に良いという話
日本酒には、美容に嬉しい成分が含まれているらしい。
アミノ酸——日本酒には約20種類のアミノ酸が含まれている。保湿効果があると言われていて、日本酒を作る蔵人の手が綺麗なのは、これのおかげという説がある。
コウジ酸——麹由来の成分。メラニン生成を抑える働きがあって、美白効果が期待されている。
実際、日本酒成分を使った化粧水やパックも売っている。酒蔵が自社開発しているものもある。
ただし、飲みすぎたら逆効果だ。「美容のため」と言い訳して飲みすぎないこと。一日一合(180ml)程度が適量。
カロリーは気になる?
正直に言うと、日本酒のカロリーはそこそこある。一合(180ml)で約190kcal。ビール中ジョッキ(500ml)より少し高いくらい。
でも、適量なら気にしすぎなくていい。
週に2〜3回、一合ずつ飲むくらいなら、太る原因にはならない。むしろ、ストレス発散になって、その方が健康的かもしれない。
どうしても気になるなら、糖質ゼロの蒸留酒(焼酎やウイスキー)という選択肢もある。でも、日本酒の華やかな香りや味わいは、発酵酒ならでは。その楽しみを捨てるのは勿体ない。
二日酔いが心配なら
日本酒で二日酔いしやすい、という人がいる。
原因はたいてい、飲みすぎ、または質の悪い酒だ。
和らぎ水を飲むことで、かなり予防できる。日本酒を一口飲んだら、水を一口。これを繰り返す。プロも実践している飲み方だ。
空腹で飲まないのも大事。食事と一緒に、ゆっくり飲む。
安すぎる酒は避ける。安い酒は、悪酔いしやすい傾向がある。一本1,500円以上の純米酒や吟醸酒を選べば、翌日のダメージは少ない。
女子会で日本酒
友人との女子会で日本酒を持ち寄る「持ち寄り日本酒会」は、手軽で盛り上がる楽しみ方だ。
ルールは「ラベルがかわいいもの」。それだけでいい。
テーブルにはポップなイラストの酒、おしゃれなボトルの酒、変わった形の瓶が並ぶ。見た目だけで選んでも、案外どれも美味しいものだ。
日本酒は今、デザインが進化している。従来の「和風で渋い」だけじゃない。SNS映えするラベルの酒がたくさんある。
「何を選んでいいかわからない」なら、見た目で選ぶのも一つの方法だ。
酒蔵見学という体験
もう少し深く知りたくなったら、酒蔵見学をおすすめする。
実際に蔵を訪ねて、酒ができる過程を見る。タンクを覗き込んで、発酵の泡を眺める。搾りたての酒を試飲する。
蔵見学では、杜氏や蔵人の説明を直接聞けることもある。「この酵母が、あの香りを出すんです」——そういう話を聞くと、飲む時の味わいが変わる。
観光としても楽しい。蔵のある町を歩いて、地元のグルメを食べて、その土地の酒を飲む。女子旅の目的地として、酒蔵はかなりアリだと思う。
資格に挑戦する人も
日本酒にハマりすぎて、資格を取る人もいる。
日本酒検定は、知識を問うテスト。5級から1級まであって、勉強すれば取れる。
**唎酒師(ききざけし)**は、テイスティング能力が問われる資格。プロ向けだが、趣味で取る人もいる。
SAKE DIPLOMAは、ソムリエ協会が認定する資格。海外でも通用する。
資格を目指すほどじゃなくても、少し勉強すると、飲む楽しみが倍増する。「この酒は新潟の淡麗辛口系だな」とか、「これは山廃だから旨味が強いのか」とか、分かるようになってくる。
日本酒好きになったら変わること
日本酒を飲むようになると、変わることがいくつかあるようだ。
飲み会で「何飲む?」と聞かれたとき、「日本酒で」と答えるようになる。そうすると、周りの人が「私も」と言い出すことがある。日本酒好きは、意外といる。
旅行先で酒蔵を探すようになる。その土地の酒を飲むと、旅の思い出が深くなる。
料理とのペアリングを考えるようになる。「この刺身には、すっきりした酒が合う」「チーズには、旨味のある純米酒を」——そんなことを考えながら食事するのは楽しいものだ。
日本酒は、生活を少し豊かにしてくれる趣味だと思う。
日本酒デビューについては最初の一本の選び方をご覧ください。
日本酒と美容については日本酒と美容で詳しく解説しています。